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莫逆の犬

脚本:田村孝裕(ONEOR8)
演出:田村孝裕(ONEOR8)
宮下雄也
冨田直美(ONEOR8)
山口森広(ONEOR8)
恩田隆一(ONEOR8)
大谷麻乃
ヒラノショウダイ
西田どらやき(入間国際宣言)
奈良岡にこ

矢部太郎(カラテカ)

板尾創路

彼はずっと桜を見ている。
毎日、一年中、何年も、欠かさずに見ている。
それは彼がここにいるしかないから。
ここから一歩も出ることはできないから。
私の帰りを待つことしかできないから。
彼の優しすぎる性格が、いつしか彼を、
犬にしてしまったんだと思います。

さて。いつものように、観た人にしかわからない感想を。
ネタバレありますので、知りたくない方は気をつけてー。

真綿で首を絞められるような感じって、こんな感じ?
初演観てるから結末はわかっていたけれど、ひりひりじりじりと心が痛かった。
雄やん、燃え尽きてた。すごいね。
カテコ撮影OKだったんだけど、まだ一郎が抜けてないから、
全然前を見てくれなくて、俯いた姿しか写せなかったです。

一郎、美月、一郎の父の10年の変化が、
一つの部屋の中を出入りする人物とともに浮き上がる。
田村さんの作品は、時間の移り変わりがいつも鮮やかだ。
話自体は暗く重いのだけど、それぞれのキャラが濃くて、
面白い場面もたくさんある。

ガリ子さんが、好き。友達になりたいわー。
あと、冨田さんがやった役。
ああいう嫌な女いるよなー。
でも、相変わらずカッコいいなー。って思った。
出番の少ない役者さんも、それぞれの場面だけなのに、印象に残る。

矢部さんのぶっちぎりぶり、守さんの、ちょっとズレた一生懸命ぶり、
パンダちゃんの豹変ぶり。
弟くんのクズっぷり。
恩田さんのダメ先輩ぶり。
皆みんな、いそうな人だな。
ガリ子さんと、りょうさんは、ズルい(笑)
面白い。安定の劇団員。

初演と比べて、少し明るくなりましたね。
ココリコ田中さんの時は、もっとどろどろしてたような。
結末は、同じようで、全然違う印象。

初演、ラストシーンが前の人の頭で見えなかったというトラウマがあったのだが、
今回はよく見えた。
けど、ある意味とても大事な、PCを前にソファに横になるところ、
PC画面に丸かぶりで、表情を見る事ができなかった。
残念。非常に残念。
別な角度からもう一回観たかったなあ。
あの場面、やろうとしてることはアレだけど、表情は重要だよねー。
見えなかったのほんとに残念だー(涙)

一郎の変化、美月の変化、一郎の父親の異常にも思える行動。
どのシーンも心に残る。
入れ替わり立ち替わり入ってくる登場人物のインパクトも大きい。
笑ったり胸が締め付けられたり胃が痛い。
雄やんの魂、削られただろうなあ。
こんなに、全ての登場人物が、印象に残る作品ってあまり無い。
ほんの少しの登場シーンでも足跡を残して行く。

美月の変化がきっつい。
一郎の変化が哀しい。
でも、最後は、初演よりすっきりした。
自分で選んだ結末だと思えたから。
って、解釈には自信ないけど。
終演後のどんより感は減りました。
ちょっと説明すると、一郎は、世間から身を隠すために、
10年間、一歩も外に出てないのね。
自首しようとした時も、彼女や父親が止めて。
でも、結局のところ、彼女は、彼をおいて出ていってしまう。
新しい恋人と去っていく彼女が戻ってこられるように、
やっぱり、外に出ないで、ずっと待っている一郎。
ここにいないと、彼女が戻ってこられないからって。
あと、一郎が自首しちゃうと、匿ってた彼女も捕まるからね。
(ちなみに、殺人だけど、彼女との結婚を反対した母親と、
もめていたら、母親が階段から落ちてしまい死亡。
本当かどうかも謎だけどね。弟君は冗談だと受け取るし。)

この、普通じゃあり得ない設定なんですけれども。
人間の変化が面白くて鮮やかで、舞台として成立してる。

ラストシーン。
お腹がすいて、歯磨き粉を食べるところまでは同じ。
初演は、歯磨き粉まで這って行って、食べて、
そのまま、力尽きて餓死した。
再演は、ずーっと眺めていた桜の木の下へ落ちて行った。
自分で終わりにしただけ、今回の方が優しいなあと。
初演の方が救いようがなかった。
でも実は、初演のラストの方が好き(暗)
正直、一度観ているから、初演のようなインパクトはなかった。
それは、仕方ないです。
今回は今回なりの良さがありました。
『出来事』と『思い出』は違う。
ずっしり来ました。
私は、ただの『出来事』ばっかりだ。

今回、哀しいけれど、自分で選べて救われた気がする。
それにしても、彼を犬にしてしまった周囲の人間。
飽きたら捨てる。
犬だ。
犬はいつまでも待ってる。
切ない。
彼女が飽きていくさま、父親の不気味な執着。
狂っていく彼。
見応えあったな。

というわけで、ちょっと突拍子もない設定ですが、
やっぱり、田村作品好きだなー。
雄やん、終わったらどうなっちゃうんだろう?って感じだったけど、
今は、ラビトン稽古、楽しんでいるようで、何よりです。
お疲れ様でした。


読んでくださった方、拍手してくださった方、
ありがとうございます。
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テーマ : 不安定な心
ジャンル : 心と身体

tag : 舞台 観劇

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